タビ鉄は鉄の調理器だ。鉄は人類の歴史上よく利用してきた金属だ。
人は鉄によって人口を増やすことに成功し、動物や人の生命を奪うために鉄器を利用してきた。人類にとって重い想いのある金属だとも言える。
山田工業所という戦後の混乱期から鉄の鍋を作り続けている会社がある。常温の鉄をハンマーで打出して中華鍋やフライパンを作る。単純な工程だけに打出しは職人技に支えている。
プレスでは出来ないことが、山田工業所の鍋には詰まっていて、玄人や愛好家の支持を得ている。
また鉄は再生利用価値が高く、修理が出来ることも知られている。時代を経て育った中華鍋やフライパンは料理人にはかけがえもない物だ。修理も山田工業所の仕事のひとつとして取り組まれているそうだ。
鉄には重いイメージがあるが、強度があるので薄く作れる。単純に物事を考えてはいけない。熱伝導率も然り。
厚い鉄は蓄熱性に富み、肉塊を焼くことが出来るが、風の影響下で弱い火の調理は難しい。強火で鍋を揺すりながら炒め、手早く済ませるなら薄い鉄鍋になる。
鉄は錆が出やすい。まずスープを食べた後に炒めものを作るとするという具合にすれば良いと思う。皮が育ってくれば錆にも強くなる。
立沢トオル
UNHALFDRAWING® タビ鉄 750
直径185mm 深さ48mm(耳含まず) 厚さ1.0mm 自重245g
容量750cc(ほぼ満水) 打出し鉄製(山田工業所)
UNHALFDRAWING® タビ鉄 500
直径165mm 深さ40mm 厚さ0.8mm 自重145g
容量500cc(ほぼ満水) 打出し鉄製(山田工業所)